アルパインメドウズ・スキー・エリア

Alpine Meadows Ski Area
California, USA

Introduction / スキー場の特徴

 初めてこのスキー場を訪れた1993年。ベースロッジの男子トイレの壁にこんないたずら書きがあった。『なんでこのスキー場ではスノーボードを滑っちゃいけねんだよ?』というなぐり書き。
それに対して『なぜならこのアルパインメドウスキー場はスキーヤーの為のスキー場だからさ!!』という答え。思わずほほえんだし、妙に説得力のある受け答えだな、と感じた記憶がある。

 最近ではスノーボード禁止というのがこの地域でのアルパインメドウスキー場の代名詞のような言葉になっている。筆者自身はスノーボードは滑らないのだが、まわりにはスノーボード愛好家が結構いてこの種の話、つまり『どうしてスノーボードが禁止なのか』という話になると会話に窮することがある。


スキー場右翼のボウル

 この10年ほどのアメリカ国内の一般的な状況として、スノーボードが流行し始めた当初より滑走を許可していたスキー場、最初は滑走を禁じていたが流行の大きさを敏感に感じ取ったり、利用者からのリクエストに応える形で順次許可を出していったスキー場、そしてスノーボードがスキーと肩を並べるほどあたりまえになった昨今の状況にもかかわらず滑走を禁止しているスキー場の3つがある。

 実際、筆者もモノスキー(一本スキー)を楽しむ友人とスキー場に出かけ断わられた記憶がある。スノーボードの流行初期に言われた次の言葉が当を得ているような気がする。『スノーボーダーがゲレンデでのスキーのルールやエチケットを学ぶまで、スキー場は彼らに滑走許可を与えるべきではない』(Snow Country 誌、1995年9月号より)。
全てのスノーボーダーがそうだと言うわけではないのだが、ゲレンデの真ん中に数人でかたまって座り込んでいたりする図はやはりあまりいただけないし、ときとして目をおおいたくなるようなマナーがあるのも事実であろう。基本的な滑走スタイルがゲレンデを横切る滑り方になる点や両足が単一のボードの上に固定されている点などは考慮されてしかるべきとは思うが、他人に迷惑をかけるかどうかについては別問題である。
そういったスキーヤーの不満を代弁する格好になっているのがこのスキー場である。他のスキー場がスノーボードの隆盛に従い、あるいはスノーボーダーのマナーの向上に伴ってスノーボードを解禁している現実から考えると非常に頑固なスキー場であると言えるし、スノーボード愛好家にはやはり不快感をもたれる向きもあろう。

 事実、アンケート調査の結果にはスノーボーダー以外からも『スノーボードを禁止されると、スノーボードを楽しみたい子供をもつ家族にとってはアルパオンメドウスキー場でファミリーバケーションを楽しむことが出来ない。』という苦情もあるようである。レトロ・スキーエリア、つまり古くさいスキー場といった陰口もあるようである。


スキー場左翼のボウル
 場所的にはネバダ州とカリフォルニア州の間のタホ湖の北西部に位置する。ネバダ第二の経済都市リノ市から車で1時間ほどである。巨大なスコーバレースキー場の裏側であり、レイクタホをはさんで南のヘブンリーバレースキー場に対峙するように位置する。隣接するレイクタホを、スコーバレースキー場からは各峰の頂上から遠望するだけ、ヘブンリーバレースキー場からは美しく眺められるが見おろすだけとは違い、アルパインメドウスキー場の場合は頂上からの眺めとは別に、目の前に湖面を見るようにスキーを滑ることができる。あたかも湖に向かって滑っていくような気にさせられるコースもある。前述の2つの巨大スキー場のそばにあって、このスキー場の評価は決して低いものではない。特に各スキー雑誌が行う読者アンケート調査では項目によってはむしろ前二者を凌ぐ結果すら出している。特に豊かな降雪量、スキー場全体の60%近くが北向き斜面である事による雪質の良さとシーズンの長さは他の追随を許さぬものがある。子供スキープログラム、女性のためのスキープログラムには高い評価が与えられている。ただし泣き所は宿泊施設、レストラン、ナイトライフである。1日目、2日目は周囲に点在するレストランで何とかなるがそれ以降は正直なところ困る。車で15分ほどの所にあるトラッキーの町やタホ・シティーへの遠出が必要になる。


ベースロッジ前から一直線に頂上に向かうサミット・リフト
 大きすぎることもなく小さすぎることもないスキー場である。特に中級スキーヤーの支持が高いように思う。4本のリフトでアクセスが出来るワイドオープンなボウルは非常に魅力的である。ボウルというと単調なコースを想像しがちだが起伏に富んだ、非常に変化に富んだコースが用意されている。
\隣のスコーバレースキー場がマニアックなスキーヤーに支持されていることもあり、実際に滑っている中級スキーヤーの数も多いように思う。だからといって上級・エキスパート用のコースが無いのかというとそうでもない。
リフト降り場からスキーをかついでボウルをさらに登り、あるいは延々と横切ってパウダーを求めるスキーヤーの姿は多い。ハイクアップしていくと滑り始めるのにかなり勇気の必要な急斜面があったり、森の中にはいると隠れたコースが発見できたりして思わぬ楽しさのあるスキー場である。

 地元スキーヤーからこんな話を聞いた。自分がこのスキー場で滑るのはパブに入り浸たるイギリス人のようなものだ、というのである。
どういうことかたずねると、『Not No.1, but Iユm here(ナンバーワンではない。しかし私はここにいる)』という言葉を説明してくれた。

 イギリス人のパブ好き、あるいは日々必ずパブに出入りする姿は有名だが、大きな有名パブにばかり人が集中する訳ではない。人それぞれが自分のお気に入りのパブを利用するのである。
そのときいわれる言葉が『Not No.1, but Iユm here(ナンバーワンではない。しかし私はここがいいのさ!)』なんだそうである。アルパインメドウスキー場にまさにぴったりな言い回しかもしれない。
シーズンの終わりはその年の降雪量に非常に左右される。無難なところで5月と書いたが場合によっては7月4日の独立記念日がシーズンエンドになる年もある。

追記
 スノーボードに関して。97−98のシーズンに訪問したところ、スノーボードが解禁になっていた。『みんな仲良く』というところである。


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