ビーバークリーク・スキー・エリア

Beaver Creek Ski Area
Colorado, USA

Introduction / スキー場の特徴


スキー場正面の景観
 大きいばかりが能じゃない。だだっ広ければいいというばかりではない。コンパクトに、内容豊富に、密度を高く・・・。これがビーバークリークのありようである。
ザ・ビーヴ(The Beav)の愛称で親しまれているビーバークリーク・スキーリゾートが姉妹スキー場であるヴェイルスキーリゾートの付属品のように扱われていた時代を終わり、その独自性を強く主張しはじめたのが80年代後半から90年代にかけてであろう。
ヴェイルという巨大で、高級感に満ち、便利で、ほとんど総ての設備が整うアメリカ屈指のリゾートの隣に位置し、同じオーナーによる所有・経営となれば付属品的扱を受けるのも止むを得ないところ、というのが大方の見方であった。事実、スキーヤーが休暇でヴェイルに長期滞在する場合、共通リフトチケットや便利なシャトルバスサービスがあることを知って、『1日くらいはビーバークリークとやらに滑りにいってみようか』というのが大方の行動パターンだった。
ところが最近は最初からヴェイルを飛び越して「スキー休暇でビーバークリークに行く」というスキーヤーが増えてきているのである。逆に『今日は平日でそんなに混んでいないだろうからヴェイルへいってみようか。』というパターンさえ耳にする。
今や堂々たるスキーリゾートとしての地位を獲得したといえる。例えていうなら大樹の陰で守られていた苗木がどんなに強い風が吹こうともすくすくと育ち、ついにはその大樹と肩を並べて日の光を浴び始めたようなものである。

 地図の上ではインターステイツ70号線上で、ヴェイルの町の西隣り、エイボンの町に所属する。シャトルバスでおよそ30分ぐらいの距離であろうか。
ヴェイルスキー場の正面コースがインターステイツから一望出来るのに比べ、ビーバークリークのゲレンデはやや奥まった所に位置する。構造的には4つのピーク、あるいはボウルを中心に実によくまとまったスキー場である。
初級・中級・上級の各レベルのスキーヤーがその実力に応じて楽しむには充分な広がりと内容を備える。スキー場全体があまりにも広すぎて何がどうなっているのか、どこをどう滑ったらよいのかわからなくなってしまい、気がついたらそれほど全体のコースを滑りきっていなかった、などというのはよく聞く話である。
『総てのコースを滑りきってやろう』などと企んだのはいいが、限られた日数や時間で滑るにはコースの数が多すぎ、コースの滑り歩きにばかり気は取られるは、時間との戦いで焦ってしまうはで、スキーを楽しみに来たのかつらい思いをするためにスキーをしに来たのかわからなくなってしまった、などという苦い経験談も耳にする。このスキー場に関する限りその手の話は無縁であろう。


ベースロッジ付近の時計台
92ー93シーズンにオープンしたグルース・マウンテンはコブと急斜度の宝庫である。『角をまわれば、おおっ!!、と思わず声がでてしまう。』そんなコースでもある。
コース全体に縦横無尽に走っているのは中級コース。総てのリフトが必ず中級コースをサポートしている。山頂付近(ここではサミットを指すが、実際にはグルース・マウンテンの方が標高は高い)に初級者コースが集中するのも珍しい現象である。うつむきがちに、足元ばかりを見ながら滑ってしまうことの多い初級者も見晴らしの良さを楽しみながら滑ることの出来る。
評価の高いグルーミングも初級者にとって朗報である。この規模で16台のスノーキャット(圧雪車)を擁し(1994ー95シーズン実績)、その作業に徹するのであるから、初級者コースの雪面のなめらかさをゴルフのグリーンに例えるスキーヤーがいてもうなずけるところである。

 有料ではあるが駐車場に入った時点からこのスキー場のコンパクトさは始まる。
ベースロッジ付近のリゾートビレッジ地下にある駐車場に車を駐車する。ブーツを駐車した車の所ではきかえ、スキーを持って階段をあがれば、そこはもうゲレンデである。この無駄の無さ。非常にスマートである。
ただしこの有料駐車はスペース的には充分な広さがあるとはいえず、すぐ満車になってしまう欠点がある。地上に出て周囲を見回すと、限られた敷地内に造られているんだな、と納得もしてしまう。有料駐車場の他に山の麓に無料の駐車場も完備している。もちろんシャトルバスサービスの利用をしなければならない。
山の麓といえば聞こえはいいが、同じ山の麓は麓でも、アクセスロード入り口付近の山の麓である。従って非常に遠い。全米のスキー場で駐車場と最寄りのリフトやベースロッジがこれほど離れているのも珍しいかもしれない。
そのため有料駐車場が満車で駐車し損なったスキーヤーが山の麓の無料駐車場まで引き返す無駄を無くすためにアクセスロード入り口付近のゲートで係員が駐車場所を確認するサービスがある。
ゲレンデそばの宿泊施設に滞在する場合はそのまま進入、有料駐車場に空きがあり、使用を希望する場合は整理券をもらって有料駐車場入り口へ進み、ゲートで整理券を係員へ渡す、それ以外はゲートそばの無料駐車場へ入り、シャトルバスを利用するシステムである。このあたりの気づかいには見事なものがある。

 そしてそのスマートさがそのままシンプルなゲレンデの構成・リフトの配置にもつながる。初級者のためのコースやスロースキーゾーンの設定、中級者の為のオープンスペースとグルーミング、上級者用の急斜面とモーグル用斜面。実にわかりやすく配置されているように感じた。変な言い方だが、あとは自らの思いのたけを斜面にぶつけるだけである。それをするに足るだけの内容の濃いコースが展開する。 (9/28/96)


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