ビッグマウンテン・スキー・エリア

Big Mountain Ski Area
Montana, USA

Introduction / スキー場の特徴


頂上からホワイトフィッシュ湖を望む
 『単一の山としては北西部最大のスキー・リゾート(The Big Mountain is the single largest ski resort in the entire Northwest. Enjoy!)』と、うたい文句がトレイルマップとパンフレットにのっていた。この場合は少々苦しげな感じのする表現だな、と目にした瞬間に思ったものである。

スキー場の宣伝文句の中にでてくる『キャッチフレーズ』というものを考えてみたい。キャッチフレーズ自体、なんとかインパクトのあるものにしようと、いろいろと努力というか工夫がなされるものである。
理想的なものは『世界で最も・・・』というも。なにせ全世界を対象にして一等賞というのだから、ことの真偽は別にして文句のつけようがない。次には『北米大陸一・・・』や『アメリカ一・・・』、『カナダ一・・・』というように、対象となる範囲を徐々に自分にあったように狭めていく手法である。アメリカの場合、行きつくところは『州内で最高の・・・』という範囲である。


裏の斜面を一望する
 さらには『最高』、『最長』、『最速』といったナンバー1をうたうケースに対し、『唯一』といった、ただ一つだけ(英語ではOnlyの言葉で表現する)を強調するやり方がでてくる。これはさすがに範囲が狭くなることが多く、『州内で唯一の・・・』というのが一般的な用いられ方である。
これらとは別の道をいくのが『6つの峰をもつ世界的なスキー場』(バーモント州、キリントンスキー場)、『エキゾチックな雰囲気のスキー場』(ニューメキシコ州、タオススキー場)、『人工造雪の聖地』(ニューヨーク州、ハンター・マウンテンスキー場)といったようにスキー場の見た目、感じたままの特徴を前面に出すやり方もある。

 それら全ての手法を総動員して作り上げたのが『単一の山としては北西部最大のスキー・リゾート』というキャッチフレーズである。ただしここで言う北西部が北米大陸やアメリカ国内のどの範囲のものかが定かではない。しかし『単一の山』つまりSingle Mountainという表現がおもしろかった。

 確かにトレイルマップを見る限りは頂上を一つだけいただき、その正面と裏側にコースを展開させている非常に単純な構造である。しかし実際のコース構成はそれほど単純なものではない。一望できる範囲だけをとればそれまでだが、全てを滑ってみるとその大きさ、複雑さを実感する。
頂上を中心に正面に1つ、サイドに1つ、裏に1つ、中規模のボウルを並べたような展開になっている。その各ボウルも正面はほぼ木のないオープンスペースなのだが残り2つのボウルはいたる所に林があり、コース分けが・・・と思うとこれまたほとんどがスキー可能な林でツリースキーの滑り放題といったおまけ付きのボウルである。 正面の下半分と頂上に向かって左翼のコースは森の中を切り開いてつくったスキーコースが主なコース形態。


グレイシアー・チェア・リフト、キャビン付
 これだけのコースをたった一つの山で確保してしまうのはやはり見事である。そしてベースロッジから山頂までの1本のリフト、つまりグレーシアー・チェイサー・リフトだけで山の裏側の斜面を除いて全てのコースをカバーできてしまう点にも驚かされた。このリフトにさえ乗れば正面コースの行きたい場所全てに行くことが出来るのである。従ってその他のリフトは全てある特定のエリアをサポートするわけでだが、極端な話、他のリフトは無くても滑りたいところは全て滑ることが出来る、という話になる。もちろん補助役のリフトがなければリフトが混雑してどうしようもないが。こういう構造の山があるのかと、感心させられた。

 位置的にはモンタナ州北西部に位置する。西はアイダホとの州境。北はほとんどカナダ国境。それもブリティッシュ・コロンビア州、アルバータ州と境を接する。筆者は約1カ月に及ぶカナダの取材旅行の後に(第2回クラブ例会も含め)車で南下してホワイトフィッシュの町に入った。国境を越えて小1時間程で到着したのだが、カナダはやはりアメリカとは違う、アメリカはやはりアメリカだ、と何かしらほっとしたのを覚えている。一見すると皆、同じに見えてしまうアメリカの田舎町が妙になまめかしかった。


利用者のないスケートリンク
 ホワイトフィッシュの町。典型的なアメリカの田舎町といってしまえばそれまでである。天気の関係か何かしら全体的にくすんだような色合いの町に思えた。建物が総て木材とニスを利用したかのように、全体の色調が落ちついた色合いなのである。人気のない映画撮影所みたいな感じだった。

 何せ田舎。リゾートを名乗る割には、リゾートの顔であるべきビジターセンターの職員のお行儀も最低ランク。よく言えばアット・ホーム、悪く言えばだらしがない。『その辺のおばさんが、ランチタイムということで、ピザをもぐもぐ食べながらの対応しているの図』である。こんなに英語のへたくそなアジア人など来たことがないのだろう。何やら胡散臭そうな対応だった。場慣れしていない、と解釈するより無い。

 アムトラック鉄道との提携等、町ぐるみで何とか盛り上げようとする姿勢も見られるのだが・・・。なにせ人口の少なさ、飛行場の規模の小ささ、知名度の低さ等々、今一つ盛り上がるに欠ける。基本的にはスキー場の規模、町中のエンターテインメトが力不足である。別に温泉があればいいと言うわけではないが、ことといった名物がないのもマイナスか。
周囲には特に邪魔する大規模スキー場はない。しかし絶対的な力量不足のスキー場と言えるかもしれない。


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