ビッグスカイ・スキー・エリア

Big Sky Ski Area
Montana, USA

スキー場の内容と評価

トレイル構成

 位置的な環境あるいは形状から区分するとアンディサイト・マウンテンとローン・マウンテンの2つに区切ることが出来るが、内容的には特に後者はそう簡単にはいかない。そこで上記2つのエリアに分けた後、コースの難易度、それらのコースをサポートする搬送機の種類等を含めながら構造を説明する。

 アンディサイト・マウンテンはベースロッジを背にして最も左側に斜面を展開しているピークである。アクセスロードを走っていて目の前にトレイルが見えるのもこの山の一部である。
山は頂上を中心に3つの方向に斜面を展開している。まずベースロッジ側。ほとんどが中級斜面で占められ、一部にはレースコースも設定されている。リフトの真下には中級斜度でコブ斜面にもなっているがこれは例外であろう。
一方ちょうど正反対の南側の斜面は初級コースが幅を利かせる。特にサウザーン・コンフォートと呼ばれるリフトの下にはこの手のコースとしてはちょっと珍しいほどのゆったりとした幅を備えた初級コースがまっすぐに広がり、その場に立つと気分がスカッとするほどである。
その間、アクセスロードに面したサンダー・ウルフリフトによってサポートされるエリアはやや複雑である。まず中心となる大通りはかなり広いオープンスペースのコースで、尾根に当たる部分でさえ横幅は大変広く、飾り代わりに大きな木が散在する。それに続く底の浅い谷間の部分はトップからボトムまでグルームされており、まさにグルーム大路といった感がある。
その大路に接続するようにいくつかのブラックダイアモンドがコブ斜面を披露するが極めつけはスネーク・ピットと呼ばれるダブル・ブラックダイアモンド。トレイルマップ上はシングルブラックダイアモンドだが実際のコースの案内板はダブル・ブラックダイアモンドだし、それにふさわしい内容と考える。いわゆる、ツリースキーと崖、急斜面、モーグルをゴチャマゼにしたようなコースである。

 ベースロッジを背にして正面にそそり立つのがローン・マウンテンである。4つのエリアに分けて説明する。ゴンドラ・ローンピークエリア、南斜面エリア、北斜面エリア、トラムエリアである。前述の通り、単純に地理的に区分けをしただけでは説明しきれない面があり、ときにはコースの難易度を中心にときには単に搬送機のサポートだけを主眼に説明する。

 まずベースロッジから2基並行して設置されているゴンドラとそれを乗り継いでさらにローン・マウンテンの急斜面のすぐ下までいくローン・ピークリフトのエリア。
このエリアは初級者にとってはゴンドラステーションからそのままスキーを楽しみ始めるエリアであり、中級スキーヤーにはそのまま滑り始めるのも良いが、どちらかというと南斜面へのアクセス口であり、上級者にはトラムエリアあるいは北斜面へのアクセス口である。しかもスキーをするしないにかかわらず、スキーをトラムステーションに置いてトラムに乗って山の頂上へ行き、絶景を楽しむ点ではまるっきり初心者のスキーヤーを除いて全てのスキーヤーのゲートにもなる。
ローン・ピークの名前が示すとおり、トラムで山の頂上まで上がれるようになる前まではこのローン・ピークリフトが最も頂上に近い感じがするリフトであった。

 ゴンドラエリアからみるとちょうど山の反対側に当たる南斜面。
構成するほとんどの斜面は中級コースである。はじの方にブラックダイアモンドのコースもあるがあまりぴんと来ない。というのもこの南斜面のエリアの上方に強烈な急斜面があるためそこを滑り降りてきた筆者は正直なところこのエリアのコースに対し『どうでもいいや』といった感覚をもってしまった経緯がある。
しかし中級スキーヤーは逆に滑り始める前に上を見上げてとてつもない急斜面に圧迫感を抱きながら滑り始めることになる。極端に緊張することなく滑り始めるのことが大切である。

 ゴンドラエリアからみて南斜面と正反対に位置するのが北斜面のエリア。
トラムができて山の頂上へのコースが出来る前は上級・エキスパートスキーヤーの一番人気のエリアだっただろうと容易に想像できるエリアである。
もちろん今でも素晴らしいのだがローン・マウンテン頂上付近がもつ派手な様相にはやはり1歩譲ってしまうようである。
チャレンジャーリフトによってサポートされるエリアとそれ以外の2本のリフトによってサポートされるエリアに分けられる。さらにチャレンジャーリフトエリアはトラムステーション側、リフトそばのエリア、ナッシュビル・ボウルエリアの3つに分けられる。
第1のトラムステーション側は従来はチャレンジャーリフトの後カントリー・クラブ・トウと呼ばれる短いサーフェイス・リフトでサポートを受けていたがトラムが出来て以後は休止しているようである。というよりもトラム完成以後は北斜面エリアとしてではなくトラムエリアとして説明する方が良さそうである。
第2のチャレンジャーリフトの真下あるいはそのそばのエリア。大半がダブルブラックダイアモンド扱いである。斜度が決めてである。これだけの斜度があれば文句無くダブルブラックだろう、という斜度である。おまけとして一部にボウル状の湾曲、林、岩の露出が付いてくる。
ただ内容的にというか感覚的には他の有名スキー場が有している最も急な斜面と同等、という風に考えて良い。(念のために書き添えるが決して馬鹿にしているわけでもなく、侮っているわけでもない。あくまでも比喩としての表現である。)
第3はトラムステーション側とは反対側にあるナッシュビル・ボウルのエリア。これもまた見事な斜度の展開である。どこまでも向こうの方へ滑っていきたくなるような環境だが、途中にスキー場境界線があるので注意のこと。もちろんバック・カントリースキーとしていくことは可能だが地理不案内の日本人スキーヤーがおいそれと踏み込める場所ではない。
チャレンジャー・リフト以外の2本のリフトは正直なところ筆者には『何のためにあるのだろう』といいたくなる存在。チャレンジャーリフトの存在がそれほど強烈でもあるし、これら2本のリフトの目的がそのエリアのコンドミニアム等のレジデンシャル対応の意味あいを感じとったためかも知れない。したがって一般のスキーヤーの利用はあまり多くはないようである。

 最後が真打ち、それもトリをつとめる大真打ちである。ローン・マウンテンのまさに頂上付近のコース。
とんがり帽子の頂上のすぐ下にトラムの頂上駅がある。下から見上げてももちろんそうだが、頂上駅を降り立って改めて見直すと『よくぞこんな所につくったものだ』と思わずにはいられない。
本当に絶壁の上に、崖の頂にステーションをつくっているのである。そしてもっと凄いのがトラムのケーブルと平行して存在するビッグ・クーラーとリトル・クーラーの2つの超急斜面。
『ゴッツイでー』と思わず叫んでしまうすごさである。岩の迫り出しと迫り出しの間の細いコース。それも非常に長いのである。ゲレンデにあってこの手のコースでこれほど長いコースは筆者は初めてである。
じつは筆者もトライしようとしてスキーパトロールの申告所の前まで行ったのである。しかし周りにいるスキーヤーやスノーボーダーのいでたちを見てあきらめた。というのも全員が雪崩に備えて発信器を首から下げ、プラスティックのスコップの入ったリュックを背負い、その上スノーボーダーは全員がヘルメットを着用しているのである。
スキー場取材旅行も3カ月近くが過ぎ、疲れがたまっている上に、めんどくさがり屋の性格が前面に出て1カ月あまりまともにスキーのチューンナップもしていない己の姿を省みて、のこのこ出ていくのが周囲に対して失礼な気もしたし、何よりも自分の身の安全を考えて次回の課題とすることにしたのである。
もっと正直に言えばトラムの待合い時間中に下から眺めていたときは『トライしてみようかな』だったのが、トラムで頂上駅付近に来たときには『やべーッ』という感覚に変わっていたのである。
筆者も次回はトライするつもりだがその前に(後でも結構だが)トライした方のご感想をフォーラムでお待ちすることにする。
この2つのコースに連なって出てくるのがA〜Zの各コース。トラムが出来る前はハイクアップしていけるもっとも手近かな場所だったが全体的に雪のはり付きがいい場所ではなく最近はあまり人気が無いようである。以上が頂上に向かってトラムラインの右側のコース。

 左側のコースはボウルの縁に当たる尾根伝いに少し滑った後トラムのベース・ステーションに向かってこれまた急斜面を降りてくるコース。残念ながら1995−96のシーズンのトレイルマップにはコースの指定がない。
トラム自体が工事が追いつかず95年のクリスマスの2日前まで運行できなかったくらいだからコースの設定も予定通りに行かないのも無理はない。
そして今一つ、南斜面方向へ滑り降りるオープンスペースの急斜面がある。左右が非常に広いために斜度の感覚が狂ってしまうのだがターンが小さな雪崩現象を起こし次のターンでその雪と戦わなければならない程の斜度である。少なく見積もっても40度以上である。
しかし本当にその斜度の実感がわくのは滑り終わって下から見上げたときだった。もちろん見ため以上に距離も長い。「あーっ、しんど!」と、滑り終わってから声を出してしまった。
そのまま南斜面のリフトしたまで滑る手もあるが、だめ押しでゴンドラ頂上駅に向かって滑り降りるボーン・クラッシャーの急斜面に滑り継ぐコースの取り方もある。


レベル毎の楽しみ方

 a)初級 / Beginner


 b)中級 / Intermidiate


 c)上級 / Advanced & Expert


スキー場評価

 中味の濃いスキー場である。規模、トレイル数、斜度、コースのバラエティーさ、各レベルのスキーヤーがそれぞれ楽しめるだけの内容量、スキー場の敷地面積の広さ、等々どれをとっても一級品である。

 モンタナ州という田舎の州の、さらにそのはずれに位置するという立地条件がいまだにスキーヤーの間で低い認識しか持たせていないようだが、コースの内容からのみ評価すればコロラドのヴェイル、ユタのスノーバードやアルタ、カリフォルニアのスコーバレーに比肩するスキー場である。



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