ブラッコムマウンテン・スキー・エリア

Blackcomb Mountain Ski Area
British Columbia, USA

 

Introduction / スキー場の特徴


ウィスラー・リゾート全景。左にブラッコム・スキー場、中央にビレッジ、右にウィスラー・スキー場Photo by Whistler Resort


日本語レンタル申込書
 色とりどりの美しい色のプリント柄のスキーウェアーとアクセサリーで頭の先から足下まで見事にコーディネートされた実に華やかなスキーヤーの群。向こうにはラーメン、こっちには寿司、リフト乗り場のそばには鉄板焼の看板もあった。ウィスラーヴィレッジのゴンドラステーション付近の広場で目の当たりにした光景である。

 日本国内で非常に人気のあるスポーツであるスキー。信州を中心とした地域へのバス・自動車を利用したスキー旅行に始まり、北海道へのスキーパック旅行、そしてここ数年は海外へのスキー旅行へ発展し、特に人気の高いのがこのカナダのウィスラー・ブラックコムスキー場である。

 多くの日本人スキーヤーが訪れることで展開されるサービス。あるいは日本からの大小の資本によって行われるビジネス。年齢制限・期間制限はあるが一定期間日本人に就労を認めるビザ(ワーキングホリデー)を手にした日本人従業員の進出。こういった特殊な事情により、ウィスラー・ブラックコムスキー場は北アメリカにある他のスキー場とはひと味も、ふた味も違った趣を呈している。

 たとえばスキーレンタル。申し込み用紙は英語と日本語の2種類が並ぶ。そしてレンタル用の道具は新品のように手入れが行き届いた、しかも今年の最新モデルである。
このくだり、不思議に思われる方も多いとおもうが、アメリカという所、スキーの道具に限らずゴルフにしても他のスポーツにしても、レンタルの道具はひどい状態のものが多い。特に別料金を払う上級・エキスパート用のハイパフォーマンススキーならともかく、特に初級・中級者用の道具となると管理が非常にずさんでとてもお金を出して借りられるものではないことが多い。
しかしそこに日本のサービス精神というか商売精神が入ることによって見違えるほど素晴らしいレンタル環境が整備されたと言える。


日系のスキー旅行パンフレット
 ウィスラーヴィレッジのベースロッジの地下にはスキーレンタルショップと並んでXXスキーツアー、YYの旅といった、日本の各旅行会社のツアーデスクが所狭しと並ぶのもこのスキー場ならではの光景である。その数、そして設置面積をみるとまさに”占領”しているという感じは拭えない。驚きを通り越してあきれる思いがするし、本当にいいのかな、とおもわず考えてしまう。
ただしこの光景を見たのが94年のシーズン。ワールドスキークラブ第2回例会会場となった1996年2月にはこれらのデスクは見当たらなかった。もちろん消えてなくなったわけではなく、各社とも場所をかえてツアーデスクを設定したり、新たにオフィスを構えたりしていた。

 山のてっぺんでも驚かされた。リフトを降りてトレイルマップを片手に、おもしろそうなコースを物色し、そこがオープンしているかどうかを確かめようと近くにいたスキーパトロールに質問を発すると、「Yes, But very very KYU」、そして「very very ABUNAI」という答え。
『カナダ人の英語発音はわからん』と思いつつ再度言ってくれるように頼んでやっと「はいオープンしてます。しかし大変急斜面です。」「大変危ないです。」の意味であることがわかり、おもわず隣にいた友人と顔を見合わせる一幕もあった。ことここにいたってとどめを刺されたというところか。


地元誌の日本食レストランの広告
 筆者はお目にかからなかったが、ウィスラースキー場、ブラックコムスキー場共にスキースクールには日本人のインストラクターがいるとのこと。右を見ても左を見ても日本人と日本語の世界といった感がある。
余談になるが96年に訪ねたときに、双方のスキースクールのインストラクターが各々のクラスをひきいて、相手側のスロープでレッスンをしていた。つまりブラッコムスキースクールのインストラクターがその生徒を連れてウィスラーマウウンテンへで、あるはその逆も現象も、である。
いわゆる電車で言うところの相互乗り入れを実施しているようである。それぞれを所有していた会社の合併によるものと聞いている。麓の町を共有し、リフトを共有する極めて特殊な協力関係に基づくものだがなかなか面白い光景だった。

 さてスキー場。夏のスキーキャンプ等でその名をはせたスキー場である。大きな標高差、バラエティーに富んだコース、頂上背後の巨大なボウルそして氷河、どれをとっても一流である。
アクセス口は3カ所。ブラッコムスキー場の麓であるイントラ・ウエスト・クラブを中心としたアッパー・ビレッジからはリフトで。少し離れたウィスラースキー場の麓になるウィスラービレッジからの連絡用ゴンドラでスキー場へ入れるこの連絡用ゴンドラには中間駅があり、ここが第3のアクセスポイントになる。スキー場からウィスラービレッジへ戻る際にはビレッジ・ランと呼ばれる連絡コースが設定されている。


グレイシアー入り口に向かって上る会員
 このスキー場でおもしろいのはやはり山の中腹以上のボウルであり、左翼の広々とした各コースであり、山頂裏のグレイシアー(氷河)である。山の中腹は森の中を切り開いた変哲のない中級斜面の多いコースである。正面山頂付近から始まる広々としたボウルがまず圧巻。普通ボウルというと単調なコースが多いのだが、ここは違う。様々な傾斜をもち、なおかつ起伏に富んだコースがかなり長く続く。ボウル中央は中級コース、その左右の急斜面は上級・エキスパートコースである。
山の峰からの左翼のコース。ウィスラースキー場が目の前に見えるエリアである。ただただ左右に広い一枚斜面がしばらく続く。その頂上に立ったときの開放感たるや、筆舌に尽くしがたい。初級スキーヤーが山のトップから麓までの長ーい距離を滑ろうとするときのスタート地点はここである。
頂上背後のグレイシアー。中級以上のスキーヤーは一度は来るべき所。Tバーを使った後、少しだがスキーをかついでハイクアップしなければならない。登り切ってその向こうを眺めたときの感激はまたひとしお。ただし入り口のすぐとなりに強烈な急斜面が悪魔の口のごとくポッカリと口を開けているので、間違っても飲み込まれないように。コンディションによっては中間部に岩がゴロゴロ露出している場合もある。
広大なグレイシアーを眺めながらボウルの底まですべりおりると、林の中にはいる。これが長い長いキャットウォークである。何分かかるか時間を計ったことはないのだが、相当長い。心して滑る必要がある。

 こういった見事なコースが展開するのだが、そのスタート地点にたどり着くまでに4本の搬送機を乗り継がねばならない。距離の長さ、標高差がそうさせるのだが何やら『おあずけ』をくっているような気分にさせられる。それだけが難点といえば難点というところか。


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