ヘブンリーバレー・スキー・エリア

Heavenly Valley Ski Area
California, USA

Introduction / スキー場の特徴


目にしみるほどの空の青さ、水の碧さ
 アメリカの西の玄関口サンフランシスコから車で5時間ほどのレイクタホの南に位置するヘブンリーバレースキー場。
所有者、カジノ、美しい水をたたえるタホ湖、シエラネバダ山脈の山並み、法体系の極めて異なるカリフォルニア州とネバダ州にまたがっての立地、砂漠・・・いろいろと書くことの多いスキー場である。


カリフォルニア口のゴンドラ
 現在の所有はバブル華やかなりし頃にここを買収した某日本企業。バブルがはじけ、為替変動の波をもろにかぶってしまった為に、せっかく手に入れたアメリカ国内の資産を大損を覚悟で手放す日本企業が多い中で、実に堅実な経営を行っているように見える。
日本企業がオーナーということもあり、日本からのスキーツアーが多く参入しており、麓のホテルには日本語の通じるツアーデスクが設置されたり、スキー場のベースロッジのレストランのメニューボードには『こんにちは、ようこそ』のたどたどしい文字も見られる。

 1994年のシーズンにはカレーライス、ラーメンがメニューとして登場したといううわさも聞いた。残念ながら筆者は食べそびれた為、値段と味の方はわからないが、アメリカの都市部に定着してきた日本食がいよいよスキー場にも登場する時代になったかと思うと何やら不思議な感じがする。

 特筆すべきは景色の美しさ。『風光明媚』という言葉をそのまま当てはめることの出来る実に美しいスキー場である。ここを訪れるアメリカ人をして『ここ以上に美しい景色を有するスキー場は無い』とまで断言させるものである。


ゴンドラ下のコースは
見た目以上にすごいコブ
 3つあるベースロッジの内、メインとなるカリフォルニアサイドのベースロッジからエアリアルトラムウェイと呼ばれるケーブルカーに乗る。この正面に、まるで立ちはだかるように存在するコブだらけの急斜面を見てうろたえたり、スキーを断念したりすることのないように。
このさらに奥、というか上のほうに各レベルのスキーヤーがそれぞれ楽しめる様々なコースが展開している。もちろん1日のスキーを終わって帰るときも無理にこのコースを滑る必要はなく、トラム・リフト共に山頂駅からベースロッジへ向かっての下向きの乗車が可能である。

 他のスキー場のケーブルに比べると決して長いものではないが乗車数分間に見ることが出来る景色には他の追随を許さぬ素晴らしいものがある。
空の青さ、それも『カリフォルニアの青い空』をそのまま映し出したような紺碧のレイクタホが眼前に広がる。針葉樹の濃い緑あるいは雪の白さをたたえる山並みがその青さを取り囲む。すると右下には木々の梢の向こうにサウスレイクタホの近代的なカジノホテルの一群が姿をみせる。その取り合わせ、あるいはコントラストが何とも新鮮な美しさを感じさせてくれる。

 水の青さをたたえるスキー場というのが実は非常に少ない。カナダ、アルバータ州のレイクルイーズ、ユタ州のディアバレー、バーモント州のマウントスノーそしてニューハンプシャー州のルーン・マウンテンなど、あるにはあるが、冬の間は結氷したり冠雪したりして空の青さをうつしだす水の青さを楽しむには至らない。

 正面斜面を上った後、頂上へは浅い谷を越えなければならない。トラムステーションを出て今昇ってきたのとは反対側の非常に短いコースを滑り降り、次のリフトに乗り継ぐ。乗り継いだパウダーボウルとウォーターフォールの2つのリフトに乗ったらリフト中程から是非後ろを振り返って欲しい。木々の梢の合間からみるレイクタホの美しさには格別のものがある。リフトに乗っている時間をこんなに楽しく過ごせるスキー場も珍しい。


左・ネバダ州旗、中央・星条旗、
右・カリフォルニア州旗と並ぶ
 更に短い滑走とリフトの乗り継ぎを経て山頂へたどり着くと、星条旗を中心に右にカリフォルニア州旗、左にネバダ州旗が整然とひらめいている。後ろに広がるレイクタホの景色とともに絶好の記念撮影場となる。

この頂上から東側に向かって滑り始めるとインターステイツ・ハイウェー(州間高速道路)で州境を越えるときに見えるのとと同じように"Welcomes You Nevada"のサインに出くわす。
そう、ここからネバダ州に入るわけである。単なる州越えであるからパスポートがいるわけではないのだが、税金、交通法規、そしてギャンブルを許可している・許可していない、といった生活に係わる全てのことに大きな違いのあるのがおもしろい。そしてなによりもネバダ州側のあまりにも豹変してしまった景色がスキーヤーの目を奪う。


ここがネバダ州の入り口
 『水と森と青い空』が『砂漠と茶色と青い空』にかわってしまうのである。はるかに広がる平地には潤いのある色が見あたらない、いわば茶褐色の世界になってしまう。ほんの数分前まで見ていた景色が、それも単に山の反対側で見ていた景色がここまで変わってしまうのか、と驚きそしてあきれてしまう。これほどのコントラストを有するスキー場は他には無いといっても良い。

 コースとしては山全体の約5割を占める中級斜面がスキー場全体にわたって展開し、前述のカリフォルニア側ゲート正面のモーグル急斜面、ネバダ側のモット・キャニオンなどのボウル・エリアにエキスパート用コースが展開する。
初級者コースはネバダ側の2つのゲートの内、ボウルダー・ベースがアクセス・斜度・横幅のどれをとっても非常に安心して滑ることが出来る。スキーブーツをはき、スキーをかかえてトラムに乗車することをいとわない、あるいは下向きのリフトに乗車するのが平気な初級者スキーヤーであればカリフォルニア側ゲートから正面斜面を上り、その反対側の初級者コース群を景色も含めて楽しむことも出来る。


茶褐色の世界へ
 最後に忘れてならないのがカジノに代表されるナイトライフ。その充実振りはおそらく文句無しに北米一である。ただしカジノに関してはあくまでもネバダ州側に限られるので注意。

 湖のほとりに広がる町並みは、実は行政的には単一の町ではない。背が低く割と簡素な(あくまでもネバダ側と比較しての話である)モーター・ロッジ群の続くのがカリフォルニア州側、サウスレクタホの町。
ステイツ・ライン・アベニューの北側、すなわち巨大なホテル群が登場するのがネバダ側、ステイツ・ラインの町である。このステイツ・ライン・アベニューが州境で、その北側がギャンブルOKのエリア。付随するナイトショーや様々なエンターテイメントが繰り広げられる。

 スキーの後の運だめし、と張り切るのは良いが身ぐるみはがされぬよう(?)ご注意。もっとも近年はカジノ場に設置されたキャッシュ・マシンの中にはアメリカン・エキスプレス、ビザ、マスターカードはもちろんのことJCBカードが使えるマシンが出てきた。スキー旅行から帰ってみれば、借金地獄の憂き目を見ないとも限らない。翌日のスキーのためにもほどほどに・・・・、をおすすめする。

追記
 残念ながら97年のシーズンオフ中、所有者だった日本企業がヘブンリー・バレースキー場をアメリカの企業に売却した。これでバブルの時期にアメリカのスキーリゾートを取得した日本企業はほぼ撤退した形となった。(3/31/98)


[Back]
Copyright 1998 World Ski Club,Inc. All rights reserved.