マウントローズ・スキー・エリア

Mt. Rose Ski Area
Nevada, USA

Introduction / スキー場の特徴


砂漠の彼方に雪山が・・・
 砂漠に面したスキー場、とでも表現しようか。ギャンブル公認の州であり知名度抜群のラスベガスを有するネバダ州。その州北部にある第二の経済都市リノ市内にあるスキー場である。。カジノホテルが林立する歓楽街を抜け、高速道路を南下し、住宅街を走りきるうちに周囲は灰色の世界に包まれる。低い潅木しか生息できない植生が語る過酷な夏の暑さと少ない降雨量。高速道路を降り、山に向かって走り始めるとその景色が一層際立つ。

 遠目に見える山の連なりと山頂付近の雪の白さを見ない限り、とてもこんな所でスキーなんかできるわけがないと思ってしまう。山の麓まで来てそれまでの片道2車線の道路が1車線となり、勾配がきつくなり、つづら折れの道が始まると景色が一変する。松林が登場するのである。

 山の向こう側の高い標高に位置するタホ湖(レイクタホ)の影響か。少なくとも緑の潤いが目にはいる。いつしか周囲は白銀の世界に変わり、いつものような雰囲気のなかでいつものようにブーツをはきかえ、リフトチケットを購入し、リフトに乗る。


砂漠へ向かって松の木間を滑り抜ける
   しかしスキー場の頂上で、特に南側のボウルの頂点に立ってはるかに見回すとなにやら不思議な感覚にはまってしまう。先ほど走ってきた灰色の世界が目の前に広がるのである。

 左の前方には高層建築を含むリノの町が、目の前の平野部とその先の山並みが、右手には割と大きな湖が見える。しかしそれらの全てが何となく霞んだような、すすけたようなというのだろうか、そのまま埃っぽいといった方がよいだろうか。真っ白なはずの高層ホテルをして、空の青さをそのまま映し出すはずの湖をして全てがくすんで見えるから不思議である。

 自分が立つ足元は純白の雪、その向こうには埃っぽい、くすんだ灰色というか茶色の世界。こんなコントラストがあるのか、それもスキーに来ていてこんな光景を見ることがあるのかと思わずうなってしまう。

 夏の観光名所、というより避暑地、冬はスキーリゾートがひしめくスキー天国。それがレイクタホに与えられた代名詞である。湖を取り囲むようにノーススター・アット・タホ、スコーバレー、アルパインメドウ、ホームウッド、ヘブンリーバレー、ダイアモンドピークといったスキー場が軒を連ねる。

 大体が湖側に面していたり、メインベースロッジが湖側だったりするのだが、このマウント・ローズだけは、湖を遠望することも出来るが主たる斜面は湖とは反対側に面する。まさに砂漠を見ながらの滑走となるスキー場である。


ベースロッジ前の広々とした初級コース
 周辺の大スキー場に州外からのスキーヤーをほとんどとられてしまい、低料金をもって地元スキーヤーに奉仕するタイプのスキー場と考えられる。規模的にもそれほど大きくないため週末は家族連れで賑わうようである。斜面も全体にジェントルなものが多く、ブラックダイアモンド、ブルースクエアの両レベルも総じて優しい内容である。

 ベースロッジ前に広がる初級者コースはかなり広い。エキスパートが喜ぶようなものはない。ただし現在はパーマネント・クローズドエリアとなっている急斜面をコース化しようという企画があり、これが実現すれば様相が一変する可能性がある。

 まえまえからそんな話があったのだがなかなか実現しそうもなかった。地元のスキーヤーたちも『このスキー場の資本力では無理だろう』とたかをくくっていた。というのも貧弱なベースロッジ、ガラガラなスロープ、いまどき珍しいメモ紙のようなサイズに白黒印刷されたトレイルマップ。どれをとっても明るい材料はなかった。

 しかし95年ごろから様子が変わってきた。スキー場に活気が出てきたのである。メインベースロッジが大きく建て直されて以来のことと聞く。地元リノのスキーヤーから『おらがスキー場』の認定を受けたのであろうか。南のラスベガスに対抗してカジノの町リノが観光政策の一環として様々な分野へのてこ入れが始まった影響かもしれない。(リノ・エアーというリノに本社を置く航空会社の支援もその一つである。)

 決して大きなスキー場ではないし、際だっておもしろいコースがあるわけでもないが一種独特の雰囲気を持つスキー場である。1995年ワールドスキークラブ第1回例会、第3会場である。


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