ノーススターアットタホ・スキー・エリア

Northstar at Tahoe Ski Area
California, USA

Introduction / スキー場の特徴


マジックカーペットを使うジュニアスクール
 ファミリー・スキーリゾートというカテゴリーがあったならば間違いなく1等賞と思われるのがこのノーススター・アット・タホスキー場である。全てが程良くまとまっているという印象を受ける。スキー場のサイズ、パーキングからリフトチケット売場やゴンドラ乗り場までの行程、ゴンドラの設置、リフトの数・適正配置、コースの数そして難易度・形状。
そういった諸々の要因が親をして安心して子供を滑らせることの出来るスキー場を形作っているし、親もまた余裕をもって滑ることの出来るスキー場になっている。


ゴンドラ下のゆったりとしたコース
 このスキー場はそもそもの立地条件にというか立地環境に非常に厳しいものがあるスキー場である。レイクタホという有名観光地の一翼を成す、まではよいのだが、周囲に多くのライバル・スキー場が覇を競い合っているからである。

 隣接して巨人ともいえるスコーバレースキー場と、それほど大きくないとはいえアルパイン・メドウスキー場。
州境を越えてネバダ州に入ればリノ市内に立地するマウント・ローズスキー場、湖側にはハイアット・リージェンシーというカジノホテルを抱えるダイアモンドピークスキー場。
レイクタホの南にはヘブンリー・バレースキー場がその規模を誇っている。それらの他にこのレイクタホの周囲には、リフト料金の安い小さなスキー場となるといくつあることやら。

 そんな環境・条件の中でこの決して大きくもなく、有名でもないノーススター・スキー場が生き残る道は『程々に調和したスキー場』、『家族連れをターゲットにしたスキー場』そして『固定客をつかむスキー場』を目指すことだったようである。


スキースクール集合場所
 確かに滑っていても、ロッジで食事をしていても子供連れの家族の姿が多かったように思う。というよりも全体のスキー客の中で家族連れスキー客の占める割合が非常に高いというべきだろう。
見た目云々だけでなく、リフトに同乗したアメリカ人と話をしていても「孫と一緒にきているんだ」、「家族でのスキー休暇はいつもここに来るんだ」「スキースクールが終わるから子供達をピックアップしにいかなければ」といった内容の会話が多かった。

 子供達はスキースクールというスキーの専門家に任せて、自分たちは自分たちなりに無理のないスキーを楽しもうという家族が多いように思われる。これが『さあっ、子供達はスキースクールにまかせて、自分たちも思う存分滑ってやろう』という上級スキーヤーの保護者の場合はこのスキー場を選ぶかどうかは疑問ではあるが・・・。

 いずれにしてもこのスキー場を選んだファミリーは、家族ぐるみで楽しめるという意味で『おらがスキー場』という意識があるようである。


クラブメンバー専用改札口
 クラブ・ヴァーティカルというフレクエント・スキーヤー・プログラムも『固定客をつかむスキー場』を目指す姿勢のあらわれだろう。
基本的には航空会社が行っているマイレージ・プログラムと同じである。航空会社の場合、登録してある航空会社のフライトに乗れば乗るほど実際に飛んだ距離を記録してくれ、たまったマイレージ数に応じてある種の特典が受けられるというものである。利用者は出来るだけ多くの特典をもらおうとして特定の航空会社を利用するようになる。いわば航空会社による顧客の囲い込み作戦なのである。

 その手法をスキー客に適用したのが東のシュトラットン・スキー場と西のこのノース・スタースキー場であった。シュトラットン・スキー場の場合は車で5時間以内にボストン、ニューヨーク、オルバニーといった都市を、ノーススタースキー場の場合もサンフランシスコ、サクラメント、リノといった都市をかかえている。そういったスキーヤー人口の隣接に目をつけた作戦といえる。

 クラブ・ヴァーティカルの場合は、クレジットカードのようなメンバーズカードでリフトチケットを買うとスキー場利用頻度が記録されるだけでなく、自動的に本人のクレジットカードにリフト代金の請求がなされる。
さらに自動的に利用頻度に応じた各種のディスカウントを受けることが出来る内容になっている。出来るだけシンプルな形でユニークなサービスを提供しようとしている。

ビレッジ入り口のゲート
 さてスキー場。大別すると3つのエリアに分かれるが、ちょっとおもしろい構造になっている。第1はスキー場入り口の部分に当たる、ノーススター・ビレッジと呼ばれるベースとゴンドラ斜面。第2はゴンドラ終点駅付近のデイ・ロッジを基点にしたスキー場の中心部とも言えるエリア。最後は山の頂上から反対側に降りる上級者専用コースのエリアである。

 スキーやスノボードをレンタルしたり、リフトチケットを購入したりするのがノース・スタービレッジである。ここからゴンドラでデイ・ロッジまで上がるのだが、もちろんその下にはスキートレイルが走っている。しかしどちらかというとコンドミニアムなどの家屋の方が主体のエリアで、それらの間をコースが設定されているという感じがする。要するに連絡橋としてのゴンドラである。



スキー場裏側のコース図
 第2のスキー場メインのエリア。大きな細長いすり鉢状になった構造で、底に近い部分は初級者用コース、上部のすり鉢の縁の部分からスタートするコースは上級コースと中級コースの混在、という具合に設定されている。
しかしながら内容的には上部のコースはほぼ全てが中級者レベルのコースである。多少コブがあるかないか、木々が邪魔しているかどうかで上級、中級の区別をしているようである。斜度的にはほとんど変わらない。ファミリーにとって好ましいスキー場たる所以がこの辺にあるように思う。

 第3のスキー場裏側のエリア。これも斜度的にはそれほどびっくりするようなものはない。ただし1本1本の距離が非常に長い。と共に、平行して走る幾つかのコースそれぞれに『完璧にグルームしたコース』、『延々とコブが続くモーグルコース』、『新雪が降り積もってそのまま放置しておいたコース』等々いろいろと変化をもたせている。
コブ斜面はリフト真下のコースが選ばれており、その長さには『まだあるの?』から『もういやだっ!』となり、リフト乗り場が目の前に見えてきて『もうダメッ!』というあからさまな心境の変化を伴う滑りとなる。
頂上から両翼にのびるグルームされたコースはクルージングスキーやGS系の滑りにはもってこいである。滑っているスキーヤーの数が少ないことに感謝しつつ思いっきりとばすことが出来る。なんてたって上級斜面だから。

 以上、独自の営業路線を展開するおもしろいスキー場である。
(改訂3/28/98)
             


[Back]
Copyright 1998 World Ski Club, Inc. All rights reserved.