オキモマウンテン・スキー・エリア

Okemo Moutain Ski Area
Vermont, USA

スキー場の特徴


オキモ・スキーリゾート オーナー
 1982年のオキモの取得以来、劇的な月日が過ぎております。この間、ニューイングランド地区では最新と評価されるリフトシステムへ改良を行い、その92%は人工造雪機能にカバーされているスキー場拡張を実施しました。さらに95−96のシーズンからはソリチュード・ビレッジの第1期工事がスタートします。

 しかし我々の目指すところはなんら変わっておりません。行き届いたカスタマー・サービスにより、皆様に素晴らしいバケーションを過ごしていただくことです。この言葉が単なる宣伝文句ではなく、我々オキモ・リゾートのトップ・プライオリティーとして常に皆様へ提供しようというものです。

 オキモ・リゾートは最上のスキー場を目指して発展しております。雪質については2年連続、州内最高の評価を得ましたし、スノーカントリー誌では東部トップ5に選ばれるに至りました。これらの評価が特にティーン・エイジのスキーヤー・スノーボーダーを多く含む幅広い年齢層からの評価であることは、オキモ・スキー場が巨大スキー場に決して引けを取らぬ、十分な内容を有していることの証と考えております。

 既においで下さった方々はもちろん、まだおいでになっていない方々も是非我々の心からの招待をお受け下さい。そして素晴らしい雪質、心のこもったサービス、フレンドリーなおつきあい、『オキモ・ディファランス(Okemo Difference)』をお楽しみ下さい。

Sincerely,
署 名
Tim and Diane Muller
Owners


全体に丸みをおびたデザインの時計台
 今年、オキモマウンテンリゾートからワールドスキークラブに送られてきた95ー96リゾートインフォメーションの中のパンフレットの最後のページに、ある若い男女がゲレンデで並んで写っている写真があった。ふっと目を移すとティムとダイアン・ミューラー、スキー場オーナー、と書かれているではないか。これにはビックリした。
下手をすると30代後半でも通りそうな若いカップルなのである(撮影時期や実際の年齢は不詳)。そしてそこには何ともすがすがしい笑みと優しさが漂っていた。若い二人の経営による意欲的な発展を行っている山、とでも表現しようか。

 アメリカの宣伝・広告の世界でよく取られる手法の一つに会社のトップ自らがコマーシャルに出演し、自社の製品をアピールするというものがある。たとえばクライスラー自動車が当時のアイアコッカ会長を先頭に行ったコマーシャルは記憶に新しいし、日本でも有名になった。このスキー場はその手法を取り入れたといえるが、それ以上に個人が大規模スキー場のオーナーであることに注目したい。


Oh my God!の声が聞こえる上級コース
 スキー場の大規模化、大規模開発が喧伝される時代だが、ばく大な資金を投入しなければならないそれらの事業は、スキー場が個人所有である場合、ほぼ不可能といって良い時代になってしまった。98年春現在、当クラブがリスティングしている北アメリカ大陸のスキー場70カ所あまりで、個人所有のスキー場はいくつあるだろうか。ユタ州のアルタ、コロラド州のクレステッド・ビュート(一族経営と聞いている)、アイダホ州のサン・バレー(2人の共同経営)くらいなものである。

 そんな時代の流れにあって若い二人の所有・経営には驚くべきものがある。さらに手紙の文面にもあったが、設備投資を積極的に推進している点である。リフトの改良は本当に素晴らしい。ほとんどが4人乗りリフトであり、大半がハイスピード型である。筆者が訪れたシーズンは3人乗りのリフトは3基だけだった。
スノーメイキング施設の充実も見事である。スキー場を拡張する際に、スノーメイキング設備の敷設を前提として行う姿勢はまさに現代型と言わねばならない。


ベースロッジから頂上を望む
急な上り坂ながら、融雪剤できれいに雪を溶かしてあるアクセスロードをのぼり、ベースロッジ前の時計台の姿を見た瞬間に個人所有のスキー場であることを思い出した。
デザイン的にも、構造的にも、スキートレイルの構成の面でも、グルーミングの徹底したやり方にもそれを感じることが出来た。
若い経営者に対する思い入れがいささか強すぎるのかもしれないが、鶴の一声(失礼!)によって発せられる明確な指揮・命令がなせる技かな、と感じた。

 実は筆者がこのスキー場を滑るのは1996年の1月が始めてである。隣のキリントンスキー場には足繁く通っていたし、キリントンに冬季間常駐したあるシーズンなどは1週間に1度は洗濯と買い物で必ず麓のルドロウの町には来ていたのである。
ところが何となく「このスキー場を滑ろう」という気にならなかった。というよりも『この次来たときには滑ろう』と思っていても、いざそのときになるとキリントンの『アウターリミット』と呼ばれる不思議な魅力を持つゲレンデを滑りたくてこの町を素通りしてしまうのが常だった。つまり筆者のように一人で好き勝手に滑りまくる、あるいは日帰りスキー的にパッパッパッと物事を進めるタイプには静かすぎる面がある。


落ちついたたたずまいのコンドミニアム群
 そのルドロウの町も、とてもスキーリゾートを有しているとは思えないほど観光化されていない、非常に物静かな町であった。つまり街並みからスキー場を連想できなかったといえるかもしれない。
きらびやかなホテルやレストランを立ち並べて繁華街を創り出すというよりも、ゲレンデそばに設備の充実したコンドミニアムを建設して静かで、ゆったりとしたスキーバケーションを楽しんでもらおうという路線を歩んできたスキー場のようの思う。それを退屈と呼ぶかくつろぎと呼ぶかは利用者次第である。

 スキー場の所有が会社による方がいいのか個人による方がいいのか。これはケースバイケースで一概に言えることではない。会社所有になって良くなる場合もあるだろうし、逆に悪くなる場合もある。ただここでは個人オーナーが、自らの目でスキー場・スキーリゾートというものを把握し、よりよいスキー・スノーボード環境を作り出すために腐心している姿を評価したい。今後ますますの発展を期待したい。



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