パノラマ・スキー・エリア

Panorama Ski Area
British Columbia, Canada

Introduction / スキー場の特徴


北米第2位の標高差 Photo by Panorama Ski Area
『North America's 2nd Highest Vertical - 4,300 Vertical Feets, 1,311 Meters(北アメリカ大陸第2位の標高差ー4300フィート、1311メートル』。
これがこのスキー場のパンフレットやトレイル・マップに印刷されたキャッチフレーズである。第1位は言わずと知れたウィスラー・ブラッコムスキー場の5280フィート、1609メートルである。第1位と第2位の差がおよそ1000フィート、300メートルである。

 ウィスラー・ブラッコムがずば抜けているせいもあるかとは思うが、実は初めてこのスキー場を滑った際に第2位の標高差、というものをあまり感じなかった。『こんなものかしらん?!』といった気持ちが正直なところだった。
特にウィスラー・マウンテンのゴンドラで感じたような『まさに雲の上に向かって駆け上がる』がごとくの迫力が無いのである。
実際の頂上からベースまでの滑走に伴う標高差が云々というよりも、周囲の素晴らしい景色の方に目を奪われたためかもしれない。突き抜けるような青空、連なる山の峰。少々おかしな言い方だが、冬の太陽の溢れんばかりの光りが総てを輝かせている、そんな絶景なのである。
そして標高差がどうしたこうしたよりも、スキー場のコースのおもしろさの方に神経がいってしまったきらいがある。


非人間的コースの一例?

ショータイムッ!ではなくツリータイム!

 トレイル・マップを見るとまず3本のリフトによってサポートされるエリアが目にはいる。初級・中級コースを中心としたエリアで、リフトが漢字の『人』という字をかいたような配置となり、その左足の部分に初心者コース、さらに頭の部分に上級・エキスパートコース、おまけで右側にブラックダイアモンドの迂回路とボウルがくっついている。

 この頭の部分にあたる、Tバー2本によってサポートされる頂上左翼の各コースが非常に見事だった。特に1995−96シーズンにオープンしたエクストリーム・ドリームと呼ばれるエリアの楽しさは最高であった。
限定された4つの入り口から進入すると急斜度、コブ、群生する木々、崖、岩、極端に細い通路、が複雑に組み合わさって非常におもしろいコースを展開している。ここで笑えたのが、スキー場が銘々したコースの名前。以下に書き出してみた。

『アーク・エンジェル/Arc Angel』
 天使が出現するコース?・・・木にでもぶつかると本当に出現しそう。
『ネバー・ネバー・ランド/Never Never Land』
 絶対に、絶対に着地しません・・・崖を飛び出して一巻の終わり?
『スクリーマー/Screamer』
 金切り声?悲鳴?絶叫?・・・こんな声が出ても不思議はない!
『シャンペン・サーフ/Champagne Surf』
 シャンペンのさざ波?・・・いえいえ粉々に飛び散る波のごとく
『トワイライト・ゾーン/Twilight Zone』
 昔の人気TV番組・・・不思議で不思議な更に不思議が起こる?
『ビッグ・サンダー/Big Thunder』
 大雷・・・急斜面をこけて落ちれば眼前に火花が散るわ!

よくもまあつけるわ。というのが正直なところ。いささか皮肉も交えて解釈してみたがいかがであろうか。ちょっとやり過ぎじゃないの、というものも中にはあるが、実際に滑ってみると納得してしまうのがおもしろい。それほど各コースとも変化に富みおもしろかった。


ワイルドなコース入り口、警告表示で一杯
 さて余談になるが、初トライで頂上のナンバー1の入り口からはいって写真を撮っていたら、若いカップルが入ってきこんなやりとりを聞いた。
男性スキーヤーはこれらのエキスパートコースをトライしたそうな様子なのだが、女性スキーヤーの方は「とんでもない!こんな所を滑るなんていやよ!こんな非人間的な(Impersonal)コースは見たことがない!」とまくしたてているのである。

 『いざ滑らん!』と力んでいた筆者は思わず、自分は『人』の道にはずれたスキーをしているのかな、と苦笑いをする羽目になった。彼女のその言葉に苦笑いをしながら男性スキーヤーと顔を見合わせたときの『おまえはこのコースをトライができてうらやましいよ』と言いたげな表情が忘れられない。


山の中腹のピクニックエリア
 もちろんこんな過激なコースばかりではない。スキー場の名前のとおり周囲に広がる一大パノラマを楽しみながらのスキーには格別のものがある。
この頂上部分は総てが上級者用のブラックダイアモンドの指定となっているが正面のトップ・オブ・ザ・ワールドのコースに関しては滑りの強い中級スキーヤーには問題ないであろう。ここを基点にベースへ向かってのクルージングスキー。その醍醐味たるや。まさにFrom Top of the Worldである。


日本人客誘致?
日本語パンフの用意もある
 スキー場の所在国はカナダ。行政的にはブリティッシュ・コロンビア州なのだが、州の東南部にあるため、アクセスとしては西のバンクーバーよりも東隣のアルバータ州カルガリーからが便利である。

 特にバンフ、レイクルイーズといった日本人にも有名な観光地・スキー場に近い。毎年、冬になるとバンフに滞在し、レイク・ルイーズスキー場やサンシャイン・ビレッジスキー場を滑る日本人が多いため、このスキー場もそれらの客を誘致しようと躍起である。
バンフからのシャトルバスを運行したり、日系の旅行代理店と提携したり、日本語入りのパンフレットを作成したりしているのはそのあらわれである。確かに距離と時間を考えるとちょっと遠出する、という感じにはなる。
しかしシャトルサービスの確かさ等を考えるならばそれらをあまり心配することはない。
スキー場のおもしろさを考えるのならば、日程的に余裕があることを前提に、是非足を延ばすことを考えてもらいたいスキー場の一つである。


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