サンタ・フェ・スキー・エリア

Santa Fe Ski Area
New Mexico, USA

Introduction / スキー場の特徴


教会すらも周囲との雰囲気で独特なものがある
 芸術の香り高きサンタ・フェ。スキー場としての知名度よりもむしろアートの町としての知名度の方がはるかに高いかもしれない。
アメリカに在住していると日本のテレビ番組を見る機会はあまり無いのだが(近年はフジテレビやNHKを衛星放送やケーブルテレビでみることもできるし、レンタルビデオショップが各地にできて時間的な遅れがあるとはいえ、かなりの数の日本語放送がみられるようになってきた。)、何年か前、『アメリカ横断ウルトラクイズ』なる番組で通過点の一つとしてこのサンタ・フェの町が選ばれ、アートの町としてにぎにぎしく紹介されていた。その他にも芸術の町あるいは芸術家の町として紹介する媒体は数多い。

 荒涼とした荒野とその雰囲気に魅せられて多くの芸術家がこの町に移り住み、芸術活動にいそしんでいる。1980年代中頃、アメリカでシンプル・ライフというか素朴な生活環境にあこがれる人々の間に『サンタ・フェライフ』という言葉が生まれ、写真集など多くの出版物が出された。町中には多くのアート・ギャラリーが立ち並ぶのはいうまでもない。美術館、公園の周囲には自作の絵画やペンダント等の装飾品を商う芸術家の姿も多く見られる。


銀行も・・・
 早い話が荒野にできた町である。しかしそこには長い歴史と独特の文化がある。町の中央にある公園にはスペイン人が初めてこの町を建設した『1610年』を記念した石碑が埋められている。
『・・・たとえばニューメキシコの州都サンタ・フェ。今でも人口は五万あまりの、たいていの場所はウォーキング・ツアーで回れる程度の小さな町だ。先住アメリカ人(インディアン)の世界から、スペイン、メキシコなどの時代を経てやっとアメリカの領土となっただけに、これらの文化が融け合って一体となり、ここが本当にアメリカだろうかというようなムードを作り上げている。まさに砂漠の中のオアシスである。』(OCS News1997年3月28日号、猿谷 要『アメリカの歴史散歩』より)

 町の雰囲気そのものに独特のものがある。個人住宅、市役所、裁判所、観光局、商店、銀行、ガソリンスタンドに至るまで、全ての建物が風致地区としての決まりを守った、統一感のある建て方をしている。赤土と呼ぶのだろうか。赤というよりはオレンジあるいは黄土色といった感じの土で全ての壁がおおわれている。角のない、丸みを帯びた建物の外観。その姿は灼熱の太陽に照らされても、木々の緑ののなかに埋もれていても、真っ白な雪に被われていても、鮮やかな色彩に輝く。ノスタルジックという言葉はこういうときに使うのだ、と教えてもらっているようである。


スキー場全景 Photo by Santa Fe Ski Area
 さてスキー場。芸術の町に隣接するスキー場である。しかし『おらが町のスキー場』のレベルを出ず、リゾートとしての評価は難しい。では筆者がどんな点で辛い評価を出しているのか・・・

・リフトオペレーターのだらしない格好
・チケットチェッカーのだらしない態度
・客が立った後もいつまでもきれいにならないテーブル

といったところは基本中の基本、初歩中の初歩であろう。要はスキー場の職員が客であるスキーヤーに対し、少しでも気持ちよく、楽しく過ごしてもらおう、という姿勢があるか否か、である。
ここにあるスキー場の姿は、スキーが終わってロッジにかけ込むやいなや「おばちゃん!カレー大盛り一つ」と叫んでいた時代の感覚。それも今は昔の話だが。リゾートとしての評価には残念ながらほど遠い。


スキー場入り口
 しかし『おらが町のスキー場』もその内容には見過ごせないものがある。 サンタフェの町から約15分の近さ。それも15マイルほどの間に3350フィートも車で駆け上がる。スキー場の頂上まで上ればサンタ・フェの町から通算5000フィートの上昇である。リフトの値段が37ドル(95−96シーズン実績)で済むことを考えると、一時期日本国内のパック旅行の世界で流行った「安・近・短」ならぬ「(リフトが)安(く)・(町から)近(く)・(標高差が)長(い)」スキー場である。

 内容的にも立派なものがある。初心者スキーヤーのためのよい練習場や初級者が安心して滑れるコースと長い距離を挑戦できるコースの配列は高く評価できる。独立した初心者用練習コースは今やあって当たり前の時代になったが、安定した斜度を有する長い初心者コースはなかなか無い。途中でコネコネ曲がったり、急に横幅が狭くなったり等々、結構難しさが飛び出してくるものである。このスキー場のコースにはそれらがあまりない。


かなり難しいツリースキーコース
 スキー場全体を迂回するように設定された中級者用の非常に長いコース。頂上を見上げると両サイドにぐるーっと迂回するように中級斜面が伸びている。ただし迂回という感じばかりが強すぎてもう少しバラエティーさがほしい気もする。

 こぶだらけの急斜面と非常に歯ごたえのある林間コースは上級・エキスパートスキーヤーの支持するところ。特に林間コースは斜度、木と木の間隔、コースの長さのどれをとっても一級品である。特に若いスノーボーダー達の独壇場といった感があった。

 都市近郊型のスキー場である以上、宿泊施設・レストラン・娯楽施設等を併設した完全なリゾートスキー場となることを要求するのはいささか酷かもしれない。他の高級スキーリゾートとの比較はひとまずおいて、あるがままの姿を気楽に楽しむべきスキー場かもしれない。


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