
 |
ソリテュード・スキー・エリア
Solitude Ski Area Utah, USA |

|
Introduction / スキー場の特徴

入り口のゲート
|
秋になるとアメリカのスキー雑誌あるいはニューヨーク・タイムスといった新聞が全米各地の有名スキー場を紹介する記事を掲載する。そのときソリテュードスキー場に対して使う言葉が『程良くバランスのとれたスキー場』というものである。
良しにつけ悪しきにつけ読者はその論調に影響されてしまいがちである。結果、スキーヤーが抱くソリテュードスキー場に対するイメージは『全ての面においてバランスがとれているスキー場』ということになる。スキー場がもつべきバランスということを考えてみたい。
それを考えるには、私たちスキーヤーがスキー場に対して何を要求するかを考えるのが早道である。積雪、混み具合、リフト料金、交通の便、天候、スキー場全体の各レベルへの対応力、各レベルにおけるコースのバラエティーさ、職員の対応、スキースクール、ベースロッジの設備、レストランの充実度、宿泊施設の充実度、アフタースキーといったところであろうか。

ベースロッジ前からゲレンデを見る
|
以上の中には『スキー場』に対して求めるのではなく、スキー場をとりまく様々な施設環境をも含めた『スキー・リゾート』に対するものまで含まれている。純粋にスキー場だけに対して求めるとすれば、年間にどれほど雪が降るのかという『積雪』、リフトに乗るためにどのくらい待つのかという『混み具合』、いくらかかるのかという『リフト料金』、スキー場までどのくらい時間がかかるのかという『交通の便』、太陽をどのくらい拝めるのかという『天候』、誰と誰を連れていけるのかという『スキー場全体の各レベルへの対応力』、自分はどれほど楽しめるのかという『各レベルにおけるコースのバラエティーさ』というところだろうか。
積雪あるいは年間降雪量。スキー場側発表によると年間平均降雪量は430インチ、つまり10.9メートルである。これは北米大陸のスキー場の中でも屈指の数字である。東部のスキー場のように十分な積雪が期待できない地域ではスノーメイキング・システムの敷設を余儀なくされるのだが、このスキー場には全く無縁な話である。

ダイナミックな滑りPhoto by Solitude Ski Area
|
リフトに乗るために何分間待つのか。我々日本人には切実な問題である。筆者も日本国内のスキー場で、下手をすると2時間、3時間待ちなどという苦い経験もある。しかしその本人が証人となろう。このスキー場のリフトの待ち時間はほぼ無い。全く無い、といっても良いくらいなのだが、あまりに誇張が過ぎると問題なので『ほぼ無い』としておく。よっぽどタイミングが悪くて並ぶ羽目になったとして3〜4分と思って良い。
リフト料金。これはスキー場の規模等との絡みがあるので、単純に高い安いだけをいうべきではない。その評価はバラエティーさへ譲るとして考える。96−97シーズンで1日券が32ドル。世は40ドル後半の値段がトレンドである。さすがに50ドルを越えているスキー場はまだ無かったようだが、そのレベルを考えればよい。筆者のような貧乏スキーヤーには、思わず顔をほころばせてしまいそうな、ありがたい値段である。
交通の便。ユタ州ソルトレイク・シティーという、98年4月現在、日本からの直行便が飛んでいないからといって、この町を『不便な町』で片づけるわけにはいかない。ここではソルトレイクの町中からのアクセスを考えることにする。
ダウンタウン・ソルトレイクから28マイル(45km)、スキー場がある渓谷、ビッグ・コットンウッド・キャニヨン入り口から12マイル(19km)の距離である。数字でピンとこなければ、市内から市バスが毎日、スキー場行き路線バスを運行しいる、あるいは運行できる距離、で理解できると思う。

中級斜面を望む
|
天候。これが意外に難しい。天気が良い日ばかり続くと雪が無くなる、雪の日ばかりだと悪い視界の中でスキーばかりになる・・・。その他、雨期と乾季の兼ね合いというのもある。日中の最高気温と夜間の最低気温の問題もある。
たとえば太平洋側のスキー場は12、1月の雨期で多くの積雪が期待できる反面、その時期は雲にあつく被われた視界の悪い日が多い。
東部のスキー場は昼と夜の気温差が激しく、昼間融けた雪が夜の間にガリガリのアイスバーンになることが多い。
そういった悩みを持つスキー場からはソリテュードスキー場は楽園のような場所かもしれない。太平洋岸で湿気を落とした雪雲が、夜の間に恵みの雪を落としてくれる。町中がどんより曇っていても、スキー場へのアクセスロードを上る内に雲の上にでてしまい、スカッと晴れたユタの空を見ることが出来る。
スキー場の設置に適した地理というのが存在するんだな、と納得させてくれる天候である。

市バス60番はソリテュード行き
|
スキー場全体の各レベルへの対応力。数字だけをいうと初級20%、中級50%、上級・エキスパート30%である。決して大きくはない。しかし小さすぎて全コースをあっと言う間に滑り終わってしまい、もう滑るコースが無くなった、などということもない。こういえば各レベルとも十分なスキートレイルを有することがわかるはずである。
つけ加えるならば、スキーコースとリフトとのデザインについては1990年度のスキー場のレイアウトに関する賞を受賞しているスキー場である。
各レベルにおけるコースのバラエティーさ。初級コースにとって必要な斜度の安定、十分なコース幅、そして基礎を学んだ後にちょっと冒険してみようかな、と遠出する初級者に手頃なコースの設定。スキーヤーの欲するものをよく知っている。
とにかく滑りまくりたい中級者には長さとコースの数がものをいう。全体に占めるコースの割合が50%であれば十分すぎるはずである。
上級・エキスパートになると選り好みが激しいので一言では片づけられない。コブ、急斜度、崖・クリフ・チュート、ツリースキー、パウダー・・・山の上部、両翼に広がるボウルがそれら総てに応えてくれるはずである。

96年新設の宿泊施設
|
宿泊施設、リゾートとしてのアフタースキーのための娯楽施設が無かったことに関してはソルトレイクシティーに隣接する都市近郊型のスキー場であることの結果である。しかし2002年ソルトレイクシティー・オリンピックが決定してから急ピッチで工事が進み、大変立派なスロープサイドの宿泊施設が出現するに至った。もちろんたった28マイルという近さに州都ソルトレイクシティーあることに変わりはない。
こうやって検証してくると、マスコミが書いているているこのスキー場に対する報告、評価は信憑性が高いことがわかる。
リフトの値段とスキー場のバランスの良さを考えあわせれば、総合的にそのコストパフォーマンス(相対価値)には極めて高いものがある。決して一等賞ににはれないが、安定したしかも高い実力を持つスキー場である。
[Back]
Copyright 1998 World Ski Club,Inc. All rights reserved.