ストラットン・スキー・エリア

Stratton Ski Area
State, USA

スキー場の内容と評価

構造説明

 構造は非常にシンプルである。山をずんぐりした円錐に見立てると、その側面約1/3に頂上からリフトとコースを四方に展開した格好になる。入り口は2カ所。ビレッジ・ベースロッジとサンボウル・ベースロッジ。ベースロッジ付近に宿泊しないビジター用のパーキングはビレッジに付随したビルディング状のパーキングの他、ロット3、4、5とあるがロット5だけは極端に離れていることに注意。ただし帰りはゲレンデからパーキングのすぐそばまでスキーで戻ることが出来る。施設内容の90%はビレッジベースロッジに集中しているといってよく、サンボウル側はパーキングも小さく、西のはずれのコースであるキッダーブルックやサンボウルのエリアを滑ったときの休憩所的意味あいが強い。  コースの配置もわかりやすい。頂上付近はブラックで表現される上級者コース、山の中腹付近はブルーで表される中級者コース、山の麓、ベースロッジ付近はグリーンの初級者コースといった具合に割ときれいに識別できる。  このスキー場の目玉というならばスノーボードパークを真っ先に挙げるのが筋だろう。バートン・スノーボード株式会社の創設者であるジェイク・バートン・カーペンターがこの地に彼の最初の試験的なスノーボードパークをつくったことは余りにも有名である。以来、USオープン・スノーボード選手権の会場となることが多く(毎年かどうかは筆者は知らない)、スノーボーダーの間でもUSオープンとストラットンの名は非常に緊密なものとして定着しつつあるようである。

各レベルの楽しみ方

   いささか答えに窮するのがこの項目。というのもこのスキー場はほとんどすべてのコースが徹底的にグルーミングされているほかだいたい似かよった性質のコースで統一されているのである。丁寧にグルーミングされた各コースをクルージングスキーで楽しむというのが基本となる。 上級者はブラックダイアモンドの各コースではあまりにも整いすぎていて不満が残るかもしれない。ダブルブラックダイアモンドのうち、頂上に向かって右側のロウアー・スラロームとワールドカップっがコブ斜面、アッパー・スプルースがコース幅が狭く、少し蛇行しているコース、頂上に向かって左側、サンボウルエリアのベアー・ダウン、アッパー・ダウンイースター、フリー・フォールは一部に急斜度を有する。  中級者にはベースロッジ付近のアメリカンエクスプレスリフト周辺のコースがスタートとしては楽しめる。長い距離を滑りたいスキーヤーにはサンボウルエリアの3本のコースが長さもありお薦め。しかし何度もいうように全体的に斜度が甘い傾向にあるのでブラックダイアモンドの表示のコースでもリフト上から難しさを確認した上でどんどん挑戦してみることをお薦めする。  初級者にはベースロッジ付近の何本かの短めのリフトが嬉しい。えてして長いリフトに乗ってしまうと、慣れぬスキーと寒さで非常につらい思いをしなければならないことが多いのだが、4本ある短いリフトやちょっと長めのタマラックリフトを適宜選べばよい。長い距離に挑戦したければゴンドラで頂上までいき、頂上に向かって右側に迂回するように展開している2つの長いコースに挑戦するのがよい。筆者も試してみたが結構時間がかかるのでそのことを念頭に入れてスタート時間を決めると良い。

スキー場内の諸施設

 ロッジは3カ所。メインベースロッジ、サン・ボウルベースロッジそしてミッド・マウンテンロッジである。サン・ボウルロッジはメインベースロッジから遠く離れた西のはずれにあるロッジ。3階建ての非常にモダンな感じの建物。1階にスポーツショップ・トイレ・ロッカールーム、2階にカフェテリア、3階にサービスバーという構成。ミッド・マウンテンロッジは文字どおりベースロッジと頂上とのちょうど中間に位置し、中規模な2階建ての、『山小屋のイメージを残しつつも、照明にお洒落な感じを含ませる』といった雰囲気のロッジ。カフェテリアと小さいながらもサービスバーがある。 なお、館内は禁煙である。ちなみにコーヒーは税込みで1ドル24セント。  ゴンドラの頂上駅に少々驚かされた。普通ゴンドラステーションというと、仰々しい立派な建物が付き物なのだがこの山のゴンドラステーションはリフトの頂上ステーションとほとんど変わりがない。非常にシンプルな降り場なのでビックリした。「こういうことも出来るのか」「金をかけずにシンプルでいいな」といったように考えさせれもした。  逆の意味で驚かされたのが6人乗りのリフト。筆者は初めてお目にかかった。クレジットカード会社のアメリカン・エキスプレスと何らかの提携があるらしく、リフト名もそのものズバリ『アメリカン・エキスプレス』。ちょっと奇怪な感じがするが話の種に乗ってみるのも良いだろう。

評価

 全体的にジェントルあるいはモデレートな内容のスキー場である。特にブラックダイアモンド、ダブルブラックダイアモンドは上級者・エキスパートスキーヤーが期待するほどの斜度・長さ・トレイル幅・モーグルなどの特殊コンディション(?)の内容はない。ブラックダイアモンドに指定されているトレイルもその一部に中級者が滑るにはいささか困難な斜度やトレイル幅を有しているがゆえの処置と考えた方がよい。さらにスキー場のサービスポリシーと思われるが完全にグルーミングを施すことが良いサービスであるという考え方のようで、ほとんど全てのコースがグルーミングされていた。従ってパラレルあるいはGS系のターンでのクルージングタイプの滑りをするスキーヤーには大変好ましいスキー場である。  今回このスキー場の訪問は1986年末以来2回目である。そのときはクリスマス休暇の真っ最中のためスキー場は非常に混んでおり、パーキングが最も離れたロット5に駐車する羽目になり、スキー場側の用意したシャトルバスでメインベースロッジまで運ばれた。ところがこのシャトルバス、実はトラックの荷台にスキーヤーを積み込むタイプだったためあまりの寒さのためにベースロッジに到達するまでに凍えてしまったという忌まわしい記憶があった。そこで今回はちょっと贅沢をしてベースロッジ横にあるビレッジロッジに宿泊することにした。このロッジを中心にベースロッジ、ショップ・レストランが一つのモールを形成し、小振りながらも小さなストリートを形成している。ものぐさな筆者にこれ以上の環境はない。食事をするのも、ショッピングをするのも、バーへ酒を飲みに行くのも全て徒歩で、しかもすぐ目の前の建物ですむのである。家族連れ、恋人同士、そしてものぐさを決め込みたい人間ののスキー休暇にもってこいである。 ビレッジ自体は『決して大きくはないがコンパクトにまとめあがった町』を目指したものと思われる。意図したところは良かったのだが、バブル経済崩壊のあおりを受けて前のスキー場所有者がスキー場を手放さざるを得なかった状況を反映してかやや寂れた感じがするのは否めない。この点は新しいオーナーとそのマネージメントに期待したい。


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