ウォータービルバレー・スキー・エリア

Waterville Valley Ski Area
New Hampshire, USA

Introduction / スキー場の特徴


この形から何を連想しますか?
 トレイルマップを眺めているうちに、このスキー場の形がなにかに似ているような気がしてならなかったのだが、ふと思い立ったのが天狗の団扇であった。
やつでの葉かなんだったかはっきりと覚えてはいないのだが、まさに天狗が手にするその葉を逆さまにして、持ち手を上にしたのがウォータービル・バレーのスキーゲレンデの姿である。

 スキー場を説明するときに、特に一口で言い表さなければならないときになにかに擬して言い表すのはは便利なものである。スキー場の見た目がこれほどなにかにそっくりなどというのも珍しいものである。もっともこんなたとえは日本人だけにしかわからないかもしれないが。

 実際に各斜面を考えると平たい団扇というわけにはいかない。団扇本体の部分は山の麓から八合目あたりまでであろうか。八合目付近はちょうど広場のようになっていてメインストリートと呼ばれる。このメインストリートから左右各方向へ6本のコースが走り出す。麓へ一直線に走るのは最新式のハイスピード・クォッド・リフトである。左右に展開した全てのコースは山の中腹あたらから麓のベースロッジに向かって収束していく。

 団扇の柄に当たる部分が八合目からさらに頂上に向かって突き出ているコースである。しかもリフトが2本設置されるほど(1本はベースからの長い高速機、1本はこの短い区間のみ)幅に余裕がある。長い斜面や急斜面もいいが、山の頂上に中級斜面がこれほど見晴らしよく存在するのもスキーヤーにとっては楽しいものである。


ボード専用の注意書きがあるマップ
 スノボーダーにとって喜ばしいのが少し離れたところにある、スノーボーダー専用のスノーマウンテンの存在。
スノーボード禁止の例はあってもスキーヤー禁止の山はアメリカ中でここだけではなかろうか。

 メインのスキー場からちょっと離れたところにあるため、車やシャトルバスで連絡しなければならない。規模的にも古いタイプのダブルチェアーリフト1本だけである。
しかし4本のトレイル・コースにスノボード専用の様々な施設を工夫されれば文句はない。おまけに邪魔な(?)スキーヤーはいないのである。スノーボーダーだけで思いっきりスノーボードを楽しめるというのは素晴らしい。

 週末、ホリデーシーズンのみのオープンというのがネックだがこういう施設も大切に育て上げたいものである。


メインストリートから
 いまひとつ気がついた点。こんなことをこの場に書くのはどうかとは思ったのだがあまりに顕著なのであえて書くことにする。
グルーミングの見事さである。『なんだ、そんなことかいなっ』と言われそうだが、とにかく見事なのである。女性の肌のように(などというと女性にしかられそうだが)本当になめらかに仕上げられている。

 普通グルーミングを施してもいくばくかの雪のちり・芥は残るものだし、機械の残す波目模様がくっきりと残るはずである。ところがこのスキー場のグルーミング対象斜面はまるで磨いたように美しい。

 あるとき、とあるスキー場でグルーミング機材の使用についての研修会をみる機会に恵まれたことがある。グルーミングなどはただ単にスキーコースの上を圧雪車両を転がせばいいんだろう、ぐらいの非常にさめた目で見ていたのだが、どうしてどうして。なかなか大変な作業のようである。
圧雪車両の運転しかり、グルーミング用の装置の操作しかり。それらを斜度のある(時にはものすごい急斜面である)コースでこなすのである。研修受講中の作業員の中にはグルーミングどころかコースに穴をあけてしまう人すらいた。

 このスキー場ではどうやって作業をしているのだろうか。特別な機械や装置を使っているのか、作業を行う人間のなにか特殊な技術があるのか、その辺はわからない。もしも作業員の技術によるところが大としたらまさに職人芸である。

 小さいスキー場なりに色々な斜面を提供しようと言う姿勢も評価できる。先に述べたスノーボード専用スキー場の併設はもちろんだが、それ以外にもスノーボーダーのためのパークや特殊斜面の設定などがある。

 初級者用のラーンニング・エリア(Learning Area)。初級斜面の一部に『Easier Mogul Field』と呼ばれる、コブに不慣れな初級者のためのコブ練習場というか挑戦のための指定区域を設定している。同様に『Intermediate Bump Run』は中級者のためのコブコースである。
上級者にはもちろん急斜面のしかも長いコブ斜面が用意されている。トレイルマップ上、ダブル・ブラック・ダイアモンド扱いのこのコースは、頂上に向かって右半分がコブコース、左半分がグルームされたコースと区分けがされている。
ツリースキーはこれらのダブル・ブラック・ダイアモンドコースからの進入になる。
これらのコースはトレイルマップにも指定が書かれており、事前にトレイルマップでの確認を怠らなければ、スキーヤーは間違えてとんでもないコースへ入り込んでしまうことが防げる。スキーヤーにとっては大変好ましいことである。



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