Automobile / 自動車セクション



冬道の安全走行のために

カリフォルニア州政府発行の手引き書から


雪のヨーロッパアルプス

 「冬の雪道の運転はこわいものである」。頭ではわかっているし、多少の差こそあれ雪道でのなにがしかの経験はある。しかしここは海外。アメリカであったり、ヨーロッパであったり。特にアメリカにおいては、いわゆるアメリカ的なるものが、日本でのそれと比べると極端で、ともするとケタはずれに『大きかったり』、『深かったり』、『激しかったり』・・・とういうのはよく言われることである。アメリカの冬の道もまた、しかりなのです。

 日本の場合、スキー場の近くの道というのは真冬ともなれば深い雪に覆われ、常に雪道走行を覚悟しなければなりません。そのため運転する側も結果的に、常にそれに備えることになります。
ところがアメリカの場合、一部の田舎道を除き、標高3000メートルを超えるロッキー山脈の峠でさえ、、インターステーツパークウェーは制限速度65マイルの素晴らしい道路が整備されています。これが『瞬時にして』はオーバーにしても、1〜2時間で大豪雪地帯の雪道に変身してしまうから大変なのである。
 道路整備の良さに加えて、少々の降雪ならば融雪剤と砂を昼夜兼行で散布して走行可能にしてしまう道路管理のおかげで、1年を通じほとんど夏タイヤで走行できる恵まれた環境に突然の大雪。この落差の激しさをドライバーはしっかりと認識する必要がある。
ここではアメリカ、カリフォルニア州政府発効の注意書をもとに、幾つかの留意事項をとりまとめてみた。



州政府発行のパンフレット

 準備について。ポイントは自動車を冬道仕様にすることです。
1. 基本的な整備点検を充分にする。
  ブレーキ、ワイパー、除霜(氷)機、ヒーター、マフラー等の点検。 2. ウィンドウ・ウォッシャー液は不凍液を使う。
3. タイヤのコンディションの確認
4. タイヤチェーンの携帯
  タイヤのサイズに合致したチェーンを用意する。夜間の装着作業の可能性もあるので懐中電灯や必要な道具の確認も行う。
5. その他の携行品
  アイススクレイパー、スコップ、砂、車から雪をどけるブラシ・箒など
6. ブランケット(毛布)や予備の防寒用衣類。
  立ち往生したときのために
7. 車のスペアーキーをあなたのポケットに
  このくだりには筆者も驚いたのだが、かなりの数のドライバーがチェーン装着時に車内にキーをおいたままドアをロックしてしまうとのこと。事例集からの引用なのであえて書き出してみた。



前方の道路状況を警告するサイン

 こわい雪道。ハンドルを握る際に私たちが注意すべき事柄を書き出してみた。
1. 目的地までの運転予定時間を余裕を持って取る。
 「走行距離をその主の制限速度で割って」などという単純計算は、雪道では絶対に成り立ちません。あせらずゆっくりが鉄則。
2. 給油はこまめに
 残り三分の一を切ってから給油、などというのは自殺行為。天候の急変で道路が閉鎖されコース変更、Uターン、最悪の場合はストームに閉じ込められて峠で動けなくなることすらあり得る。ガソリンで動かすエンジンが唯一の動力源であることを忘れぬよう。
3. 前後左右のウィンドウを常にクリアーに
 スクレイパーが威力を発揮します。
4. 安全な運行速度
 雪道・凍結道路での急ハンドル、急停止はまさに命取り。制限速度65マイル(一部の州は55マイル)は忘れ、安全速度を心がける。シートベルト着用、充分な車間距離、は言わずもがな。たとえ晴れた日でも橋、日陰での路面凍結には充分なちゅいが必要。
5. 他の車両の存在を常に確認する。
 除雪作業車、融雪剤散布車は規定の点滅灯を使用しているが、意外に見落としやすい。逆に作業車の方も作業に集中するあまり周囲の車を見落とすことがすので注意のこと。特に吹雪のときにはいっそうの注意が必要。
6. 立ち往生時はあわてずに。
 立ち往生したら車内に留まり、燃料の残り具合を計算しながら暖をとる。ただし排気口が雪で埋まり排気ガスが車内に充満することがないように車の周囲の積雪に注意する。

 筆者の経験から言うと「君子危うきに近寄らず」が最良の姿勢と思われる。つまり天気予報に注意し、嵐には近ずかない姿勢である。冬の、嵐の中の、雪に覆われた夜道の運転などはよほどの緊急時ででもない限り絶対に避けたいものである。

 真っ白な雪道。チェーンの着脱について書き出してみる。
チェーンの仕様規定については各州とも独自の規則があるので、ここではガイドライン的な物を述べる。

臨時のタイヤチェーン検問所

1. チェーン着用の指示、命令
 第一段階:4輪駆動車・スノータイヤ着装車以外はチェーン着装義務
 第二段階:4輪駆動車以外、総てチェーン着装義務
 第三段階:例外なく、全車チェーン着装義務
 第四段階:道路閉鎖

2. チェーン着装区間の指示
 『STOP CHAINS REQUIRED』に類した表示が路上にだされ、交通警官が一斉指導に当たるのが通例ですが、地域により電光掲示板のみの所もある。速やかに指示に従うこと。(従わなかった場合、州によっては罰則規定のあるところもある。)
またこの区間は天候の変化等で刻々と位置が変わる。

3. 制限速度
 道路が完全に冠雪している場合は時速25マイルが一つの目安となる。ただし状況に応じ安全を確保できる速度を判断しなければならない。

4. チェーンの着脱作業
 チェーンの着脱に際しては、車を完全に走行車線からはずれて停車できる場所を確保する。ほとんどの場合、悪天候での着脱作業を覚悟する必要がある。作業する人がそばを通過する車に接触してしまうような危険は絶対に避けるべきである。

 楽しいスキーと安全な冬道運転のために最後に一つ。
現地での確実な気象・道路情報の入手が重要である。FM・AMラジオ、各州あるいうはAAAなどの電話サービス、空港、レンタカー会社のカウンター、州のウェルカムセンターから道路上の案内・警告標識にいあたるまで。正確な情報を入手し、適切に行動することが最も重要である。
大吹雪がくるとわかっていて、標高3000メートルの峠越えをするなどは自殺行為にも等しい。自動車というものがあまりにも身近で、あまりにも快適になった現代においては、ついつい「車なら大丈夫さ」と重いがちである。しかもホテルのキャンセル量、休暇明けのご主人のビジネスアポイントメント、子供の学校。どれも気になることであるのは間違いない。しかし命に勝るものはない。
 皆さんのスキー旅行が安全で、楽しく、実りあるものであることをお祈りします。


道路情報


雪煙を上げる除雪車


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