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『スキー場の日本食レストラン』


淡泊な味わいが懐かしくなる
Sushi Breck at Breckenridge提供
 「海外でのスキーは素晴らしい。スキー場は大きいし、雪質は最高。しかし1週間もいるとさすがに食べ物が・・・」とはよく聞く話である。とにかく一皿一皿の量が多い、あぶらぎってる、コッテリしすぎてるなどなど、量の面でも味覚の面でも慣れないものに合わせるのはつらいものである。そんなときに大変ありがたいのが日本食レストラン(Japanese Restaurant)というやつである。

 日本食の海外進出にはときとして目を見張るものがある。たとえば醤油。町中のスーパーはもちろんのこと、雪深き田舎のスキー場のコンビニエンス・ストア(ガソリンスタンドに併設されているものなど)にさえおいてある。ソイソース、あるいはキッコマン(外人さんに発音させるとキッコーマンとはならない)という言葉は先進国では今や世界語である。
と同時に日本食レストランの進出にも著しいものがある。1970年代にはニューヨーク、ワシントン、ロサンジェルス、パリ、ロンドンといったいわゆる先進国の大都市にのみ存在したものだった。ところが80年代を境に大都市はもちろんのこと地方都市にもその流れが入ってきた。それは地方都市周辺の観光地への波及をも意味した。アメリカでいえばコロラドのベイル、ブリッケンリッジ、アスペン、カリフォルニアのレイクタホ周辺、カナダのウィスラー・ブラッコムなどである。
そして90年代中ごろを過ぎて、『えっこんな所にまであるの!』という段階になった。


地元雑誌上の広告
Sumo Sushi at Incline Village

 外人さんにとっての日本食とは『すし、てんぷら、すきやき』といった概念が定着しているようである。同時に低カロリーということもあり、ダイエット食品あるいはヘルシーフード(健康的なたべ物)というイメージもある。そして値段の割に一人前あるいは一皿一皿の量が少ないために『値段が高い』というイメージもあるようである。

 日本食レストトランの普及は『青い目の職人さん』を生み出すことにもなる。当初は日本人が経営する日本食レストランのキッチンヘルパーだったものが次第に技術を身に付け、親方と並んで寿司を握ったり、厨房を任されたりといったところがスタート。ときには地方出身者がロサンジェルスなどの大都市の日本食レストランに修業しに来るケースなども耳にした。
そしてそういった機会や修業で技術を身に付けた外人さんが新たに店をオープンさせるケースもでてきた。カリフォルニア州のレイクタホ周辺やアイダホ州サンバレースキー場の日本食レストランにはウエイターやバーテンダーはもちろん、キッチンや寿司カウンターにも日本人の姿は見られない。



青い目のすし屋さんSushi on Second
at Sun Valley Ski Area

 特にサンバレースキー場のレストランの職人さんは5年以上、カリフォルニアで修業をつんだと話していた。サンバレースキー場はあまり日本人が来ないスキー場のため、カウンターに座った筆者が日本人と知るとちょっと緊張したようだったが、誠実なその仕事ぶりは、日本食レストランが雨後の筍のように乱立し、ちゃらんぽらんな調理をするニューヨークの一部のレストランよりもはるかに素晴らしいものだった。

 もちろん総てがいい話ばかりではない。ときにはとんでもない経験をする羽目になることもある。わがスキークラブの会員さんから寄せられた報告の中にも散々な目にあったという報告(『Ski Snowbird 』by Michi Kaifu)もある。
そこまではひどくなくとも、『巻物を注文したら一巻一巻すべてが爆発した鉄火巻を出された』とか、『酢の物を注文したらキュウリしか入っていなかった』とか、『天ぷらを頼んだらカリカリにあがって、堅くて歯が立たなかった』といった例もある。 こればかりは食べるほうの運もあるかもしれない。



道路上の看板
Shogun Sushi at Taos Valley

 ところでスキー場に進出した日本食レストランの特色を考えてみよう。
なにせ雪深い山の中である。当然のことながら新鮮な魚介類が手に入りにくい。食品の冷凍技術が進歩し、流通機構がいかに発展しようとも、日本国内で普段接しているのと全く同じというわけにはいかない。

 第二は標高である。レストランの所在地が3000メートルクラスのリゾートなどというのはざらである。たとえるならば富士山の7合目あたりで炊飯をするのである。そのためご飯がどうしてもふっくらと炊けないのである。ご飯にしんがある、あるいはシャリが今一つうまくない、といった問題を抱えることになる。圧力釜を使って炊けば・・・、といったアイディアもなくはないが、一度に大量に炊飯しなければならない事情を考えるとなかなか難しいようである。



日本的装飾の店内
Suehiro Sushi at Telluride
 第三は人手不足である。特に田舎へ行けばいくほど職人不足であることが多い。前述のように『青い目の職人さん』がそうそういるわけではない。スキー場の日本食レストランで職人をしている日本人にはスキーきちがいが多い。昼間は滑りまくり、夜になると雪焼けのために真っ黒な顔をして寿司を握る職人さんも何人か知っているが、むしろ稀なケースである。
行き着くところは『注文してもなかなかフードがでてこない』という現象である。『確実に予約を入れ、店が混む時間を避ける』、これがスキー場においてうまく日本食レストランを利用するコツである。

 さてここでは世界各地のスキー場やその途中の空港などにある日本食レストランを列記してみた。ワールドスキークラブとしてアンケート調査を行い、返答のあったところについては店の詳細を掲載しているので参照されたい。




スキー場の日本食レストラン一覧表


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