第1号 95年夏号


注)このページは1995年春に作成、会員に郵送された会報をホームページ用に編集し掲載したものである。

『ニセ・モーグラー・キラー』

                  札幌支部  近藤 隆

 ニセモーグラーキラーという遊びを紹介しよう。最近、日本国内でもフリースタイルスキー(バレエ・エアリアル・モーグルの3種目で構成される。)の中のモーグルスキー(コブの中を出来るだけ一直線に、速くそしてダイナミックに滑る種目)が非常にはやってきた。スキーメーカーはそのための用具を発売し、スキー場も一部のゲレンデに、その半分をモーグル用のコースとして整地をせず、コブコースを設置するようになってきた。そこにまずニセモーグラーの誕生と相成る。頭のてっぺんから足の先まで、まるでプロのモーグル選手のような格好をした若いスキーヤーがモーグル用コースのはじっこに、すなわち整地してある所からほんの少しコブコースに入ったところに立っているのである。このスキーヤー。滑る時間よりもゲレンデに立っている時間の方が長く、しかも滑るときには決してコブコースは滑らず・・・今まで立っていた地点でキックターンをすると、整地してある場所まで移動し、ボーゲンに毛の生えたような滑りでやや下までくる。そしてまた整地してるところからほんの少しコブコースに入った所で立ち止まる。要するにまるでコブ斜面などは滑れないし、滑れるようになろうという意志のかけらもないスキーヤーなのである。そこにニセモーグラーキラーが登場する。ごく普通の(?)カッコをしたスキーヤーが極めて下手に「あの、モーグルをやっていらっしゃるんですか?すみませんがお手本を見せていただけませんか・・」とのたまう。すると「いやっ、今日はちょっと調子が悪いから・・・君、先に行ってよ」としどろもどろに返事が返ってくる。「そうですか。それじゃ、お先に失礼します。」と言い終えるや否や、ものすごい勢いでコブの中を直線的にとばして滑り、ややあって立ち止まり、ニセモーグラーを見上げ、彼らが滑るのを待つふりをする。ここから先はみなさんのご想像におまかせしよう。

 モーグル用のブーツ、バインディング、スキー、ウェアー、ストック、膝パットから手袋、ヘアーバンドに至るまでを売り出されている。つまり金さえ出せばそれらしいいでたちが出来ると言うわけである。全てを買い揃えると少なくとも20万円以上はする。流行にのっかろうとする、あるいは女をナンパする(失礼)道具にスキーを利用するのも金がかかるものである。


[Back]

Copyright 1998/1999 World Ski Club, Inc. All rights reserved.